非正規雇用とフリーターの地平――自己責任か、社会の責任か

非正規雇用とフリーターの地平――自己責任か、社会の責任か

東浩紀編著の『日本的想像力の未来――クール・ジャパノロジーの可能性』(NHK出版)を読んだ。これは2010年の3月5日と6日に、東京工業大学世界文明センターで開催された、クール・ジャパンに関する国際シンポジウムの記録を収録した本である。この中で行われた討議で、「グローバル」が話題になった際に、社会学者の宮台真司が次のように発言している。秋葉原事件の加藤智弘問題も関連しますが、フリーターや非正規雇用で困窮しているとされる人々が、どんな意味で困窮しているのかは、自明じゃありません。実は先ほど、学園闘争時代の爆弾事件で懲役二〇年の刑期を過ごして一九九〇年代半ばに出獄した知人からメールをもらったところです。メールにこうあります。自分は六五歳だが、単純労働を厭わなければ、時給一二〇〇円程度の深夜労働が多数ある。自分は仕事...非正規雇用とフリーターの地平――自己責任か、社会の責任か